2019年8月5日 2019年 歯科衛生士向けスウェーデン・マルメ研修
2019年 歯科衛生士向けスウェーデン・マルメ研修に当院スタッフが参加をしてきました。
2019年6月30日から7月7日まで、スウェーデンのマルメ大学歯学部で開催された研修に当院の辻、神家満、手塚の三名が参加しました。
スウェーデンといえば予防歯科の先進国であり、口腔内の環境が他の国に比べてとても良い事で知られています。
当院で取り入れているメインテナンスはスウェーデンのボークラッセ先生が提唱したものであり、またメインテナンスを長期に渡って行う事で歯の健康が守れることを示したアクセルソン先生の研究もスウェーデンで行われたものです。
このように、私たちの歯科医療に多大な影響を与えている国なのですが、今回よい機会に恵まれ現地で研修を受ける事が出来ました。
5日間の研修は、講義のみならず、実習、施設見学と多岐に渡り様々な分野について学ぶことが出来ました。
学んだ全てを書こうとするととても長くなってしまうので、多くは割愛させて頂きますが、いくつか簡単に紹介をさせてもらいますと、当院でも採用している「カリオグラム」という将来の虫歯になる確率がどれだけ高いかを示すソフトの信憑性が高いものであるという事を示す論文や、歯周病の原因菌を減らすのは衛生士のお掃除だけでは不十分で、患者様の協力無くては成しえないという事など、興味深いことを沢山学ぶことができました。
また、さすが予防先進国と驚かされた事を一つ上げるとすると、「歯磨き診療所」の存在です。
スウェーデンの全ての赤ちゃんは生後7か月を過ぎると国から手紙が届き、まず「歯磨き診療所」に行くことになります。そこには歯医者さんでよく見かける治療用のイスも歯科医師もいません。デンタルナースという職業の方(日本の制度では衛生士が同じような役職を担っていますが、日本にはない職業の方)が、両親に歯磨きの方法や子供の食生活について等のお話しをして歯の守り方を教えます。その後も3歳頃まで定期的に予防の為の来院が続き、治療が必要になると歯科医師や衛生士のいる歯科医院へ送られるという仕組みになっています。
低年齢に限られますが虫歯になる事が無ければ歯科医師の居ない診療所を作ることが出来る事を目の当たりにして、非常に深い感銘を受けました。
日本ではまだそういった取り組みは出来ないかもしれませんが、スウェーデンで学んだことを医院のスタッフと共有し、皆様の健康の一助となれるよう努めてまいりたいと思います。
見学へ行った「歯磨き診療所」です
ここにはユニットと呼ばれる治療イスはありません。
修了証の授与を終えて、カリオロジー(虫歯の学問)の権威であるダン・エリクソン教授と
2019年7月4日 喫煙と歯周病について
近年電子タバコや非燃焼式・加熱式タバコ(新型タバコ)が普及し、従来式の燃焼式タバコに比べると新型タバコは「煙が出ない」「体への害が少ない」「受動喫煙がない」と誤った認識をされ急速な広がりを見せていますが、新型タバコの使用と病気や死亡リスクとの関連性についての科学的根拠が得られるまでにはかなりの時間がかかります。
そのため当院では新型タバコや燃焼式タバコは両方とも歯周病を悪化させるものとして患者様に禁煙指導を行っています。
【新型タバコの種類】
近年電子タバコや非燃焼式・加熱式タバコ(新型タバコ)が普及し、従来式の燃焼式タバコに比べると新型タバコは「煙が出ない」「体への害が少ない」「受動喫煙がない」と誤った認識をされ急速な広がりを見せていますが、新型タバコの使用と病気や死亡リスクとの関連性についての科学的根拠が得られるまでにはかなりの時間がかかります。
そのため当院では新型タバコや燃焼式タバコは両方とも歯周病を悪化させるものとして患者様に禁煙指導を行っています。
【新型タバコの種類】
- 電子タバコ
液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ
(液体(リキッド)にはニコチンを含むものと含まないものがあり、含むものは日本では未発売)
- 非燃焼式・加熱式タバコ
iQOS glo PloomTECH など
- 電子タバコ
液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ
(液体(リキッド)にはニコチンを含むものと含まないものがあり、含むものは日本では未発売)
- 非燃焼式・加熱式タバコ
iQOS glo PloomTECH など
【喫煙がなぜ歯周病を悪化させるのか】
タバコの煙に含まれる一酸化炭素は組織への酸素供給を妨げ、ニコチンは一種の神経毒で、血管を縮ませてしまうため体が酸欠・栄養不足状態になります。
ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせてしまうため病気に対する抵抗力が落ちてしまいます。さらに傷を治そうとする線維芽細胞の働きまで抑えてしまうため歯周病の治療をしてもなかなか歯周病が治りません。
従来式の燃焼式タバコも新型のタバコ(ニコチン未含有電子タバコを除く)もニコチンは含まれているためどちらも歯周病を悪化させてしまうのです。歯科衛生士や歯科医師が歯周病の治療をしたうえでみなさんが歯磨きを頑張ってくれたとしてもタバコを吸っていない方に比べると歯周病の治りが悪いことも多くあります。禁煙をすると「歯周病へのかかりやすさ」は4割も減ります(日本歯周病学会HPより)。術後の治療経過も禁煙に成功した方はタバコを吸っていない方とほとんど差がなくなります。
「禁煙しなきゃ…」と思っていてもなかなかできないものですが禁煙治療に保険が適用される医療機関もありますので、自分の歯や体のことはもちろんご家族や大切な方のためにも禁煙する勇気を一歩踏み出してみましょう。
2019年4月15日 歯科医師臨床研修施設について
当医院は厚生労働省より指定された歯科医師臨床研修施設となっております。
歯科医師臨床研修施設とは卒業して間もない若手の研修医に対し、一般的な診療において基本的な診療能力を身に着けるための学びの場であり、研修施設に指定されるためには、歯科医師として7年以上の実績を積んだ指導医の在籍や、医院の滅菌体制など様々な条件を満たさなければならないのですがそのすべてをクリアし、国に認められた施設であるという事です。
早乙女歯科医院は東京にある日本歯科大学附属病院と提携をしており、研修医の受け入れを行っております。
当院の魅力に惹かれ首都圏からでも距離を気にせずに来てくれる研修医の先生も少なくありません。そういった先生方は志が高い事が多いです。
前置きは長くなってしまいましたが、本年度は2人の先生が研修に来てくれていました。
8カ月という、長いようで短い期間に治療部門、成人のメインテナンス部門に小児のメインテナンス部門と各診療科を回り、一般診療のみならず、顕微鏡を用いたマイクロエンドといった専門的な治療の見学や小学校へ訪問ブラッシング指導の参加といった多くの事に、誠実に一生懸命学んでくれました。
3月で研修終了となり、2人の先生方は各々の理想とする診療を目指して巣立っていきますが、来年度も早乙女歯科医院ではやる気のある研修医を募集しております。
興味のある先生は積極的に見学に来てみてくださいね!
2018年6月26日 金属よりセラミックの方が良い?
前回はセラミックが歯に優しい材料である事、歯が破折しにくくなる事についてブログで解説させていただきましたが、今回は虫歯の予防に銀歯よりもセラミックが優れている点についてお話しさせていただきます。
虫歯を削った後に金属の詰め物や被せ物を歯に装着する場合、歯と詰め物の間にセメントを流し込んで装着をしますが、これは歯と金属が接着しているわけではありません。
細かい凹凸にセメントを流し込んで固めて外れないように合着させている状態になります。
このセメントは、咬む力が繰り返し加わることで砕けたり、唾液で溶けだしたり、また食事によって熱い物や冷たいが口の中に入る事で起きる金属の膨張・収縮によって剥がれたりと様々な理由で崩壊していきます。
崩壊してできた歯と詰め物の隙間に唾液や細菌は容易に侵入し、私たちの気付かないうちに徐々に詰め物の下で虫歯を作ってしまったり、ある日突然外れることになってしまいます。
再び虫歯になってしまうと、前よりも大きく歯を削り治療をしないといけない為、どんどん自分の歯がなくなっていってしまいますし、金属の詰め物を再度いれるということは、また同じリスクを負うことになってしまいます。
セラミックの詰め物や被せ物を装着する場合、金属の合着とは違い歯と詰め物がしっかりくっついている接着という状態で歯と一体化させることが可能です。一体化しているため、セメントが溶け出すことはありませんし、硬さも歯に近く、熱による膨張・収縮の量も歯に近くなっているおかげで剥がれることもほぼありません。
このため、隙間ができず、虫歯になりにくい材料だといえます。
歯の治療に使う材料によって虫歯のリスクが変わってしまう事は以上のことからご理解いただけたでしょうか?
歯の健康寿命を延ばすためにセラミック治療は非常に有効であると様々な論文から分かってきています。そのため、当院ではセラミックの治療を推進しています。
セラミックの治療をしたいという方、詳しく話を聞いてみたい方、些細な疑問でも結構ですので気になる事があればいつでも気軽にスタッフにご相談ください。